紛争の内容

オレオレ詐欺の受取役(受け子)として,特殊詐欺に加担し,現行犯逮捕されました。前科はありませんでしたが,同種犯行を繰り返した末に,逮捕,起訴されました。

 

交渉・調停・訴訟などの経過

訴訟では,身寄りがなかったため,本人に反省の弁と今後の生活について熟慮してもらった上で挑みました。被告人質問では,丁寧に受け答えました。

 

本事例の結末

オレオレ詐欺等の特殊詐欺については,その組織性,計画性の高さから,卑劣な犯行という評価を受けることも多く,初犯でも実刑を受けることもあります。また,受け子(一般的に,組織の中では下位層)といえど,オレオレ詐欺の完遂に不可欠の役割がありますので,それのみで軽視されることはありません。もっとも,指示役からの指示どおり動いただけであったり,反省の程度,仕事をする意思,前科の不存在(または別種・軽微性)があると,有利に斟酌してくれる場合があります。

今回,被告人は反省の弁を具体的に述べ,執行猶予判決を勝ち取ることができました。

 

本事例に学ぶこと

詐欺罪は,10年以下の懲役という刑罰があります。そもそも罰金ではなく,刑務所に入ることになります。特に,オレオレ詐欺などの特殊詐欺については,悪名が高く,社会的非難を受けることになります。

詐欺のような財産に対する犯罪の場合,執行猶予を獲得するためにも,被害者に対する被害弁償,及び被害者との示談がとても重要な意味を持ちます。