事案の概要

被告人は、前の勤務先を辞めた後なかなか転職が決まらず、無収入であったところ、生活費欲しさから、知人から紹介された特殊詐欺の受け子の仕事を引き受けることにした。
老人ホームの入居権購入と名義貸しに絡む詐欺で、被告人は末端で被害者から現金を受け取る役を果たし、被害者から200万円を受け取って、それを指示役に言われるまま駅のコインロッカーに全額預けた。
被告人は、その翌日にも、指示役の指示のもと、同じ被害者宅を訪れて追加の金員を騙し取ろうとしたが、被害者宅に張り込んでいた警察官に現行犯逮捕され、詐欺は未遂に終わった。
被告人には前科前歴ともになし。妻と幼い子供2人がいた。

経過

親族が貯蓄を取り崩すなどして示談金を用意し、被害者と示談交渉を行ったところ、220万円で示談が成立した。
裁判では妻に情状証人として出廷してもらい、被告人の今後の監督を誓ってもらった。

本事例の結末・結果

結果は、懲役3年・執行猶予5年の判決で、厳罰化の傾向が顕著な特殊詐欺の事案で執行猶予判決を受けることができた。