強制性交等罪(強姦罪)の概要

※近時平成29年7月の刑法改正により、従来の「強姦罪」から「強制性交等罪」に罪名が変わり、処罰範囲が広がりました。

・強制性交等とは、被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行・脅迫を用いて、性交、肛門性交、口腔性交をすることです。

・「性交等」には、行為者が被害者の膣内、肛門内、口腔内に自己又は第三者の陰茎を入れることに加え、自己又は第三者の膣内、肛門内、口腔内に被害者の陰茎を入れる行為も含まれます。

法定刑は「5年以上の有期懲役」です。

弁護活動のポイント

強制性交等罪の場合、速やかに被害者と示談をすることが極めて重要です。

「5年以上の懲役」であるため、起訴がされてしまうと、情状酌量で刑が軽くなるなどの特別な事情がない限り、執行猶予がつかないことになります。
ですので、起訴をされないことがポイントです。しっかりと被害者と示談ができれば、不起訴にできる可能性は高くなります。

示談は、相手の被害感情を考えると直接被疑者が被害者と交渉を行うのは難しく、示談ができたとしても不相当に過大な金額での示談解決になる可能性が大きいと考えられます。
一方、弁護士を通じれば、冷静な交渉により妥当な金額での示談解決が図りやすくなります。

Q&A

⑴ 加害者は男性、被害者は女性に限られますか?

⇒ 限られません。強制性交等罪の加害者・被害者は、いずれも男性・女性であることを問いません。

⑵ 暴行や脅迫がない場合や、相手の同意がある場合にも成立しますか?

⇒ 被害者が13歳未満の者であれば、暴行や脅迫がなくとも、また、相手の同意があったとしても、強制性交等罪が成立します。
なお、被害者が泥酔状態等にあることに乗じて、性交等をする準強制性交等という犯罪もあります。