先日、オウム真理教による一連の事件で死刑判決が確定していた教団元代表ら7人の死刑が執行されました。

教団元代表については死刑判決が確定してから12年を経ての死刑執行となりましたが、死刑執行までに時間がかかるのはなぜでしょうか。

通常、刑の執行は有罪判決が確定してから検察官が作成する執行指揮書に基づいて行われますが、死刑執行については慎重を期す必要から法務大臣の命令が要求されており、当該命令は一定の例外(再審請求や恩赦の出願がなされている場合や共犯者の裁判が続いているような場合、その期間は6か月のカウントに含めない)を除き、死刑判決確定後6か月以内にしなければならないとされています。

以上によれば、死刑判決確定後比較的短時間で死刑執行となるはずですが、実際にはそうではありません。

その理由は、死刑判決確定後6か月という期間制限はあくまで努力目標を定めたものに過ぎないと捉えられており、事実上、死刑執行のタイミングが時々の法務大臣の信条(死刑廃止論者か否か等)を含めた裁量に委ねられているためといわれています。

今回、法務大臣が死刑執行を決断した理由は定かではありませんが、平成の事件を次の年号に引き継がない、天皇の生前退位による恩赦が予定されているためそれに先立って、等の憶測が飛び交っているようです。