日産自動車の会長、カルロス・ゴーンさんと、代表取締役のグレッグ・ケリーさんが有価証券報告書に嘘の記載をしたとして逮捕されたと報道がされています。
逮捕の被疑事実は、「金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)」だそうです。

その内容は、「平成23年3月期から平成27年3月期までの5年間のゴーン会長の報酬が、実際には合わせて99億9800万円だったのに、有価証券報告書には49億8700万円と50億円余り少なく記載していたとして金融商品取引法違反の疑いが持たれてい」るとのことでした。
ものすごい報酬額ですね。

それでは、金融商品取引法違反の法定刑はどれくらいでしょうか。
金融商品取引法では、法定刑は10年以下の懲役か1千万円以下の罰金と決められています。また、業務に関する違反行為に対して法人も罰する両罰規定が適用されれば、法人にも7億円以下の罰金が科されることになっています。

注目すべきは、この件は、ゴーンさんらの不正に関与したとされる日産の関係者(社員)と捜査機関との間で、捜査に協力する見返りに刑事処分を軽くする司法取引に合意したと報道されている点です。

司法取引は、平成30年6月から始まった制度ですが、適用はこれで2例目ということです。この制度は、共犯者が自らの罪を軽くするために、「罪をなすりつける」ことにもなりかねないと、批判のある制度ですので、どこまで実用性があるかい注目しています。