先日、とある都道府県警察が、「あの人、逮捕されたらしいよ」 という題名で、痴漢容疑で逮捕された人物がLINEで避難中傷される様子を示すポスターを掲載しました。

このポスターは、人が逮捕されると直ちに世間から犯罪者として扱われるような表現であり、刑事裁判で有罪判決を受けるまでは犯罪者として扱われないという 「無罪推定の原則」 に反するとの批判を浴び、警察はこのポスターを撤去することになりました。

そこで、今回は「無罪推定の原則」についてご紹介をしたいと思います。

この原則は、刑事裁判で有罪判決を宣告されるまでは、罪の疑いをかけられた人を無罪として扱うというルールです。冤罪が発生する可能性を想定したルールであり、市民が安易に犯罪者として扱われないようにするための大切なルールです。法的な根拠としては、日本国憲法第31条がその根拠に当たると言われています。

逮捕されたとしても、まず検察官が起訴しない可能性があり、さらに刑事裁判で無罪になる可能性があります。にもかかわらず、逮捕された瞬間にその人を犯罪者として扱ってしまっては、罪のないその人の人生を大きく損なってしまうおそれがあります。「無罪推定の原則」は、そのような事態を防ぐための大切なルールですので、今回のニュースを機にその重要性が世間で再認識されることを切に祈ります。