紛争の内容
本件は、窃盗事件です。
通常、事件が起きますと、警察から検察へと事件が送られ、検察官が起訴するかどうかを判断することになります。
しかし本件では、被害額が少額であったことに加え、被害者の方の処罰感情がそれほど大きくなかったという事情がありました。そこで、何とか検察へ事件を送らないように働きかけることができないかが課題となりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
ご依頼者の方からご相談をお受けし、本件を検察へ送致しないよう求める方針を立てました。
被害額が少額であること、被害者の方の処罰感情が大きくないこと、その他ご依頼者の方に有利な事情を整理し、これらを丁寧に主張する意見書を作成して提出いたしました。
捜査機関に対し、本件を送検する必要性が乏しいことを粘り強く要請してまいりました。
本事例の結末
こうした働きかけの結果、本件は検察へ送致されず、微罪処分となりました。
当初は、本件のような事案では微罪処分にはならないであろうと言われておりましたが、適切な主張と要請を重ねることで、何とか良い結果を得ることができた事例です。
本事例に学ぶこと
本件から学べることは、刑事事件において、たとえ「難しい」「前例がない」と思われるような場面であっても、諦めずに働きかけを行うことの重要性です。
事件が起きた後、それがどのように処理されるかは決して一律に決まっているわけではなく、被害額の多寡や被害者の方の処罰感情といった個別の事情を丁寧に拾い上げ、これらを的確に主張することで、結論が変わり得るということを本件は示しています。
とりわけ、送検前の早い段階で弁護士が介入し、意見書の提出などを通じて捜査機関へ積極的に働きかけることが、ご依頼者の方の不利益を最小限に抑えるうえで大きな意味を持ちます。
当初は望ましい結果が期待しにくいと見られていた事案であっても、丁寧な事実の整理と粘り強い交渉によって、微罪処分という結末を得られることがあるという点に、本件の意義があると考えます。
弁護士 遠藤 吏恭







