紛争の内容
ご依頼者の方は、ストーカー規制法違反の疑いにより逮捕・勾留されました。ご依頼者の方はご自身の行為について事実を認めており、深く反省されていました。被害者の方に対して一刻も早く誠意を示したいというお気持ちが強く、早急な謝罪と示談交渉の申し入れを希望されていました。
交渉・調停・訴訟等の経過
ご依頼者の方が深く反省されていたことを踏まえ、速やかに被害者の方への謝罪と示談の申し入れを行いました。しかしながら、被害者の方はストーカー被害を受けられたご経験から、単純な謝罪のみでは受け入れていただくことが困難な状況でした。
そこで、謝罪の意思を伝えるだけにとどまらず、再発防止に向けた具体的な方策を検討・提示することといたしました。ご依頼者の方のご家族をはじめとする支援者の方々と綿密に連絡を取り合い、今後の行動に対する徹底した監督体制を整え、その内容を被害者の方にお伝えしました。再発防止への具体的かつ誠実な取り組みが被害者の方にご理解いただけたことで、交渉は前向きに進展し、当初申し入れた金額のとおりに示談を成立させることができました。
本事例の結末
示談が成立したことにより、勾留満期を迎える前にご依頼者の方は釈放されました。その後、検察官による処分において不起訴処分となり、前科がつくことなく事案を終えることができました。
本事例に学ぶこと
ストーカー事案においては、被害者の方が深刻な恐怖や精神的苦痛を経験されていることが多く、単なる謝罪や金銭的な解決の申し入れだけでは、示談に応じていただくことが難しい場合が少なくありません。被害者の方の心情に寄り添いながら、誠実かつ丁寧に交渉を進めることが不可欠です。
また、謝罪の言葉だけでなく、再発防止に向けた具体的な取り組みを示すことが、被害者の方の不安を和らげるうえで重要な役割を果たします。本事例においても、ご家族などの支援者を巻き込んだ監督体制を構築し、その内容を明確に提示したことが示談成立の大きな要因となりました。
さらに、逮捕・勾留という事態においては、時間的な制約が非常に厳しくなります。早期に弁護士に相談し、迅速に対応を開始することが、勾留期間中に示談を成立させ、釈放・不起訴処分を獲得するために欠かせません。
そして、不起訴処分を獲得できたことの意義は非常に大きいといえます。前科がつかないということは、ご依頼者の方のその後の社会生活や就労などにおいて、重大な不利益を回避できることを意味します。ストーカー事案に限らず、刑事事件においては、早期の弁護活動と被害者の方への誠実な対応が、最終的な処分に大きく影響することをこの事例は示しています。
弁護士 遠藤 吏恭







