①複数の強制わいせつ(致傷)事案で、被害者の一部と示談したことで減刑された事例

②被告人は50代の男性。遊興業の営業として働いていたが、深夜、会社帰りの若い女性を狙って、ナイフ等で脅して公園等に連れ込み、その身体を触ったり、口淫させる等の強制わいせつ行為を行った。1年程の間に3件同じ行為を繰り返しており、うち1名の被害者には行為に伴って擦り傷を負わせていた。

 なお、被告人は、20代の頃に恐喝罪(執行猶予判決)、40代の頃に同様の強制わいせつ罪(こちらも執行猶予判決)の前科があった。

③被告人の妻が被害弁償金を用意し、被害者との間で示談交渉を行うことにした。
 3人の被害者のうち2名には連絡先を開示すること自体を拒まれてしまったものの、残り1名の被害者(擦り傷を負った方)は示談の話をしてもよいと言って下さり、弁護士から手紙と電話で連絡を取り、交渉をスタートした。慎重な交渉の結果、80万円で示談が成立し、示談金の支払いは、被害者の希望により、指定の喫茶店で弁護士から直接手渡しする形で支払った。
 公判において、上記示談書を証拠として提出するとともに、情状証人として妻を出廷させて今後の監督を誓約してもらった。

④検察官の求刑は懲役5年であったが、それを大幅に下回る懲役2年の判決が言い渡された。