紛争の内容
インターネットを通じて知り合った相手方と性交に及んだところ、後日、相手方から「同意がなかった」と主張され、警察から連絡が入ったという事案です。
ご依頼者の方は、警察から連絡が来たことで「このまま逮捕されてしまうのではないか」という強い不安を抱え、当事務所へご相談にお越しになりました。本件は、当時の状況や認識について、取調べでの供述内容がその後の刑事手続に決定的な影響を及ぼす可能性が高い状況にありました。

交渉・調停・訴訟等の経過
当事務所では、逮捕を未然に防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えるための「逮捕前サポート」をご提案し、ご契約いただきました。
このサポートに基づき、警察による取調べが始まる前に、想定される質問内容や供述すべきポイント、法的観点からのアドバイスを細かく実施いたしました。
特に、本件のように同意の有無が争点となる事案では、取調べでの不用意な回答が逮捕の引き金や不当な不利益につながる恐れがあるため、事前の入念なシミュレーションと法的な権利の整理を徹底して行いました。

本事例の結末
事前の入念なアドバイスに基づき、ご依頼者の方が取調べに対して適切に対応された結果、本件は逮捕されることなく、最終的に事件化(立件)も見送られる形となりました。
万が一、逮捕に至った場合でも即座に弁護人が駆けつける体制を整えておりましたが、最悪の事態を未然に防ぐことができ、ご依頼者の方の平穏な生活を守ることができました。

本事例に学ぶこと
性犯罪の疑いをかけられた際、初動の取調べ対応は、その後の人生を左右するほど極めて重要です。特に不同意性交が疑われる事案では、一度逮捕されてしまうと職場や家族に知れ渡り、社会的な信用を失うリスクが非常に高まりますが、警察から連絡が来た段階ですぐに弁護士へ相談することで、逮捕を回避できる可能性が高まります。
今回のケースのように、逮捕前サポートを通じて取調べの受け方について正しい知識を得ることは、警察による一方的なストーリーの形成を防ぎ、適切な防御権を行使する上で大きな意義があります。

弁護士 遠藤 吏恭