紛争の内容

免許停止期間中に自動車を運転し、前方不注意により他の普通自動車と衝突事故を起こし、被害者ら複数名に加療2週間程度の頸椎捻挫等の負傷を負わせた事件。

交渉・調停・訴訟などの経過

依頼者に同種の前科はなく、加入していた自動車保険により、被害者ら全員に保険金が支払われ、示談が成立していた。そのため、この事実を立証するため、保険証券と示談書を証拠として提出した。なお、保険契約の種類によっては、無免許運転による事故について保険金が支払われない可能性があったため、依頼者の保険契約によっても被害者らに保険金を支払うことができるのか否かを、裁判の前に確認をしたうえで、上記の保険関係の証拠を裁判に提出した。
また、依頼者には交通違反歴が多数あるという事情があった。そのため、裁判に向けた打合せにおいて、依頼者に今後も運転を再開する意思があるかについて尋ね、その意思がなくなっていることを確認し、裁判でもその旨を供述して頂いた。

本事例の結末

裁判所が、依頼者が反省をしていること、および、被害者ら全員と示談が成立したことを考慮し、依頼者を直ちに刑務所に収容するのではなく、執行猶予付きの判決を下した。

本事例に学ぶこと

・無免許運転事件で保険契約の種類を確認すること
・依頼者の交通違反歴が多いケースで、運転をすることの適性について依頼者に検討をして頂き、運転を再開すべきか否かについて考えて頂くこと