事案の概要

同棲相手が職場の備品を持ち去り実家に戻ったため、同棲相手の実家に赴き路上から備品を返還した方がよいと諭したところ、屋内にいたと主張する同棲相手の母親から脅迫を受けたとの被害届が提出され、後日逮捕されたという事案です。

経過

接見に行ったところ、本人は脅迫的な文言は使っていない(自分のものではないので脅迫して取り戻す必要がない)、母親が屋内にいたかも怪しい、とのことでした。
双方の主張の隔たりが大きかったため、否認の姿勢を貫くという方向性で進めていくこととしました。
検察官には同棲相手及びその母親との間で金銭トラブルが存在しないこと、母親がその場にいなかった可能性があること等を踏まえ、早期の釈放を求める意見書を提出しました。
検察官は同棲相手との関係が継続することで再度同様のトラブルに発展しかねないことを懸念していましたので、同棲関係を解消し、双方預けていた物品を相互に返還する段取りを取りました。

事案の顛末

物品の返還が済んだ翌日に不起訴処分となりました。
被害者の声が大きい事件では事実関係に怪しい点があっても逮捕に至るというケースがありますが、被害者との関係性を断ち新たなトラブルが発生しないような状況を作り出すことが早期の身柄解放につながる一要因となります。