紛争の内容

覚せい剤取締法違反(自己使用)で勾留されましたが,第三者に混入された合理的可能性があり,その結果,尿から覚せい剤の陽性反応が出ていましたが,不起訴となりました。

 

交渉・調停・訴訟などの経過

勾留は,一つの事件について,最大で20日間です。覚せい剤取締法違反の事件では,通常は覚せい剤が体内に入ることはないので,尿から検出等されると,覚せい剤の故意が推認されると言っても過言ではありません。しかし,その方の置かれた状況,環境等によっては,第三者による混入等の可能性が全くないとは言えません。そこで,自身の意思で使用したことに合理的な疑いがあるのであれば,弁護人としても,そのような主張を前提に活動(検察官に対する意見等)をします。

 

本事例の結末

結論としては,勾留期間は取調べを受け,完全な黙秘ではなく,本人の意向もあって弁解等は行った結果,処分保留で釈放となりました。

 

本事例に学ぶこと

起訴・不起訴の判断は検察官が行います。仮に起訴された場合には,捜査段階の供述等が不利に働くこともあり,起訴されることが確実な場合には,黙秘権を行使し,不利益な供述を取られないようにする,という戦略もあります。他方で,今回のケースでは,本人の言い分に基づき,ある程度裏付け捜査が行われており,ある程度お話しをして,合理的な疑いを提示することも戦略としてはあり得ます。本件では,後者の方法で奏効した事案と言えます。